日常の中でも、ほんの少し立ち止まって「五感でお茶を味わう時間」をつくることがあります。
茶葉でも、リーフでも、ティーバッグでも構いません。お湯を沸かし、お茶を淹れる。その一連の行為そのものが、意識的に時間をつくる行動になります。
この時間の目的は、何かを成し遂げることではなく、落ち着くことです。
お茶を淹れている間に、今自分が何を感じているのか、何を考えているのかを静かに整理します。香り、湯気、器の温度、味わい。五感をきちんと認識するだけで、不思議と気持ちは落ち着いていきます。
そうして心が整うと、その後に頑張ることや、自分のために使うエネルギーを、迷いなく正しい方向に使えるようになります。お茶の時間は、行動のための準備運動のようなものだと感じています。
日本茶の道具や紅茶の道具を少しずつ揃えたり、お湯の温度や抽出時間を調整したり、自分なりの淹れ方を磨いていくのも楽しい時間です。上達や効率を競う必要はなく、「今日はどう感じるか」を基準に工夫していく過程そのものに価値があります。
お茶のための環境づくりも、無理のない範囲で楽しめます。花を一輪飾ってもいいし、手触りのよい器や、落ち着く音や香りを取り入れてもいい。整えすぎなくても、自分が安心できる空間であれば十分です。
いわゆる「茶道」という決まりごとを極めるのも一つの道ですが、それとは別に、茶の湯としての考え方──誰かをもてなすための工夫や、自分自身の感覚を丁寧に理解していく試行錯誤──には、また違った楽しさがあります。
お茶を通して落ち着く時間をつくること。
それは特別な儀式ではなく、日常のリズムとして、静かに続けていけるものだと思っています。

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