カフェインは悪者なのか。お茶好きとして考えてみた


「カフェインなしだからうれしい」

飲み物の感想や商品の紹介で、そんな言葉を目にすることが増えました。カフェインレスやノンカフェインは、いまやそれだけで大きな長所として扱われています。

もちろん、カフェインを避けたい人がいるのは自然なことです。夜ぐっすり眠りたい人、飲むと動悸や不安感が出る人、妊娠中で摂取量に気をつけている人。それぞれに事情があります。

それでも、お茶が好きな私は少しだけ引っかかります。

カフェインは、いつからこんなに一方的な「悪者」になったのでしょうか。

嫌われるのには、きちんと理由がある

カフェインには覚醒作用があります。眠気を遠ざけてくれる一方、摂る量や時間によっては眠りを妨げます。人によっては、心拍数の増加、不安、震え、下痢、吐き気などを感じることもあります。

特に気をつけたいのは、一度にたくさん摂ることです。コーヒーやお茶だけでなく、エナジードリンク、栄養ドリンク、チョコレート、カフェインを含む薬など、複数のものを合わせると、自分が思う以上の量になることがあります。

妊娠中や授乳中の人、薬を服用している人、カフェインへの感受性が高い人は、一般的な目安をそのまま自分に当てはめるのではなく、医師などの専門家に相談したほうが安心です。

つまり、カフェインが警戒されることには理由があります。ただ、「摂りすぎると問題が起こり得る」という話と、「カフェインを含むものはすべて体に悪い」という話は同じではありません。

カフェインには、便利な面もある

朝の一杯で頭がすっきりする。仕事や勉強を始めるスイッチが入る。もうひと踏ん張りしたいときに、眠気がやわらぐ。

こうした感覚も、カフェインが持つ作用の一面です。

カフェインは眠気を抑え、注意力を保つ助けになります。運動前の摂取がパフォーマンスを支える場合もあり、一部の頭痛薬などにも成分として使われています。

だからといって、多く摂れば摂るほどよいわけではありません。大切なのは、自分に合う量と時間を見つけることです。

欧州食品安全機関(EFSA)は、健康な成人について、一日を通した400mgまでの摂取は安全上の懸念を生じないとしています。ただし、これは誰にとっても「400mgまでは好きなだけ飲んでよい」という意味ではありません。体質による差は大きく、同機関は就寝に近い時間の100mgでも、一部の成人では睡眠に影響し得るとしています。

数字は、自分の限界を競うためではなく、摂りすぎに気づくための目安として見るのがよさそうです。

コーヒーではお腹がゆるくなるのに、お茶では平気だった

私自身、以前はコーヒーを飲むとお腹がゆるくなることがありました。

当時は、原因をカフェインだと思っていました。「自分にはカフェインが合わないのだ」と考え、カフェインそのものにあまりよい印象を持っていなかったのです。

ところが、紅茶や煎茶をよく飲むようになっても、コーヒーと同じようなことは起こりませんでした。どちらにもカフェインは含まれているのに、体の反応は同じではなかったのです。

もちろん、この経験だけで原因は断定できません。飲み物に含まれる成分の違いかもしれませんし、濃さや量、温度、空腹時だったかどうか、あるいは別の条件が関係していたのかもしれません。

ただ、私にとっては「不調の原因を、成分名ひとつに決めつけなくてもよいのではないか」と考えるきっかけになりました。

成分名だけでなく、飲み物と自分の相性を見る

「カフェイン入り」か「カフェインなし」かは、飲み物を選ぶうえで分かりやすい基準です。しかし、それだけでは分からないこともあります。

同じ種類の飲み物でも、抽出方法や量によってカフェイン量は変わります。同じ一杯でも、飲む時間やその日の体調によって感じ方は違います。そして、コーヒーが合わないからといって、紅茶や煎茶でも同じ反応が起こるとは限りません。

私は次のような点を、ゆるやかに観察するようになりました。

  • 何を、どのくらい飲んだか
  • 飲んだのは何時ごろか
  • 空腹だったか、食後だったか
  • その後の気分や胃腸、眠りに変化があったか

記録するほどでなくても、少し意識するだけで自分なりの傾向が見えてきます。夕方以降は避ける、濃いものを何杯も続けない、空腹時には飲まない。そんな小さな調整で、心地よく楽しめることもあります。

反対に、少量でもつらいなら無理に慣れる必要はありません。カフェインレスやノンカフェインという選択肢は、そういうときにこそ頼もしいものです。

悪者にも、万能な味方にもしない

カフェインには、眠気を抑えて集中を助ける便利な面があります。一方で、量や時間、体質によっては睡眠や体調に影響します。

だから、カフェインを無条件に悪者にする必要も、反対に「体によいもの」と持ち上げる必要もないのでしょう。

私の場合、コーヒーとお茶では体の反応が違いました。その経験から、成分名だけを見て飲み物をひとくくりにするより、一杯ごとの自分との相性を確かめたいと思うようになりました。

カフェイン入りかどうかだけではなく、自分がいつ、何を、どのくらい飲めば心地よいのか。

お茶を楽しみながら、その答えをゆっくり探していけたらと思います。


※この記事は、個人の体験をもとにした一般的な情報です。体調への不安、妊娠・授乳中の摂取、服用中の薬との関係については、医師や薬剤師などの専門家にご相談ください。

参考資料

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