シャンプー売り場に行くと、めまいがするほど多くの商品が並んでいます。
髪質や悩み、香り、成分、仕上がりなど、選ぶための基準もさまざまです。シャンプーだけでなく、リンスやコンディショナー、トリートメントまであります。
選択肢が多いことは、自分に合うものを探せるという意味では便利です。ただ、私は次第に、何を選べばよいのか分からなくなりました。
そもそもシャンプーとリンスは、どこまで役割が違うのか。コンディショナーも使ったほうがよいのか。前に買ったものと、今見ている商品の違いは何なのか。
髪を洗いたいだけなのに、考えることが多すぎると感じたのが、固形石鹸を使い始めたきっかけでした。
お風呂でやることが多すぎた
改めて考えてみると、お風呂ではいくつものものを使っています。
髪にはシャンプー、洗った後にはリンスやコンディショナー、身体にはボディソープ、顔には洗顔料、髭剃りには専用のフォームを使うこともあります。
それぞれに役割があり、必要としている人もいます。しかし、私にはすべてが本当に必要なのか、よく分かりませんでした。
そこで現在は、髪も身体も固形石鹸で洗っています。髭を剃るときにも、石鹸を泡立てて使います。
使うものを減らしたことで、お風呂で何をするかが分かりやすくなりました。石鹸を泡立てて洗い、流す。髪には必要に応じてクエン酸リンスを使う。それだけです。
手順が少なくなったため、以前よりも気軽に風呂やシャワーを浴びられるようになりました。
汚れを落とすものと、洗った後を整えるもの
シャンプーとリンスについて調べてみると、それぞれの役割は同じではありませんでした。
シャンプーは、頭皮や髪についた皮脂などの油性の汚れを、お湯で流しやすくするために使われます。一方、リンスやコンディショナーは、髪の表面をなめらかにして、指通りやまとまりをよくする役割があります。花王のヘアケア情報でも、シャンプーの洗浄機能と、リンスやコンディショナーの役割は分けて説明されています。
私なりに単純化すると、シャンプーや石鹸は汚れを落とすもの、リンスやコンディショナーは洗った後の髪を整えるものです。
もちろん、現在は一つの商品に複数の役割を持たせたものもあります。洗いながら髪の感触を整えたり、傷んだ髪を補修したりする商品もあります。
ただ、私は常にそのすべてを必要としているわけではありませんでした。
まずは石鹸で洗い、洗った後に困ることがあれば、その役割だけを補う。必要になったときに使えばよいと考えると、私には選びやすくなりました。
髪のきしみにはクエン酸リンスを使っている
固形石鹸で髪を洗うと、きしみを感じます。これは、石鹸を使う方法の分かりやすい欠点です。
私は洗髪後にクエン酸リンスを使っています。市販されている粉末のクエン酸を水で溶かしたボトルを持ち込んで、洗面器に数杯入れて水で希釈してから髪に洗い流します。
石鹸でアルカリ性に傾いた髪を酸性のリンスで中和し、きしみやごわつきを抑えるためのものです。石鹸シャンプー専用の弱酸性リンスも、同じ目的で販売されています。
ただし、クエン酸の濃度や使い方によっては刺激になる可能性があります。私に合っているからといって、誰にでも同じ方法が合うとは限りません。
牛乳石鹸共進社も、身体用の石鹸やボディソープによる洗髪では、きしみやくし通りの悪化が起こる可能性があるとして、洗髪にはシャンプーを勧めています。牛乳石鹸のFAQ
髪の長さや傷み、カラーやパーマの有無によっても、必要な手入れは変わると思います。私は現在の髪型や生活では困っていませんが、髪の見た目や手触りを重視する場合は、一般的なシャンプーやコンディショナーのほうが扱いやすいかもしれません。
使うものを減らすと、原因を考えやすくなった
石鹸ひとつにしてよかったことは、物が減ったことだけではありません。
髪や肌の状態に変化があったとき、原因を考えやすくなりました。
いくつもの製品を同時に使っていると、どれが自分に合っていて、どれが影響しているのか、私には判断が難しくなります。香料や洗浄成分、保湿成分など、考えられる変数が多くなるためです。
現在は使うものが少ないので、何か気になることがあれば、石鹸の種類や洗い方、洗う頻度など、限られた部分から見直せます。
なんとなくこだわる物があるので流されて必要が無いけどこだわってみる、ではなく、問題が出たら改善する、ということが出来るようになりました。
私は、いろいろなものを使うよりも以前より肌の状態がよくなったと感じています。ただし、石鹸に変えたことだけが理由だとは断定できません。洗い方が丁寧になったことや、ほかの生活習慣が影響している可能性もあります。
それでも、自分の状態を観察しやすくなったことは、私にとって大きな変化でした。
手洗いも液体ソープから固形石鹸に変えた
身体を石鹸で洗うようになってから、手洗いにも固形石鹸を使うようになりました。
特に違いを感じたのは、肉料理をした後です。以前使っていた液体ソープでは、手についた脂が一度では落ちず、二度、三度と洗い直すことがありました。
固形石鹸では、きちんと泡立つまで手をこすってから流すと、私の場合は肉の脂が一度で落ちやすくなりました。
これは石鹸全般と液体ソープ全般を比較した結果ではなく、私が以前使っていた商品との比較です。液体ソープにも洗浄力の異なる製品があるため、固形であれば必ずよく落ちるという話ではありません。
一方、固形石鹸は、泡立てた後のぬるつきが残りやすく、洗い流すのに少し時間がかかると感じます。
最初は水切れが悪くなったと思いました。ただ、その分だけすすぎが適当にならず、手のひらや指の間まで丁寧に洗うようになりました。私にとっては、不便さが必ずしも悪い方向だけに働いたわけではありませんでした。
買い物と置き場所も少し楽になった
髪、身体、手洗い、髭剃りに同じ固形石鹸を使うため、買うものが減りました。
以前は、それぞれの残量を気にして、なくなる前に別々の商品を補充していました。今は石鹸の予備があるかを確認するだけです。
浴室や洗面所に置くものも少なくなりました。
何より、「次はどれを買えばよいのだろう」と考える機会が減りました。毎回違う商品を比較する必要もなく、以前使っていた商品の名前を思い出す必要もありません。
選ぶ楽しさは減ったのかもしれません。ただ、もともとシャンプー選びを楽しんでいたわけではない私にとっては、負担が減った感覚のほうが大きくありました。
掃除にも使っているが、これは自己流の使い方
私は、固形石鹸を溶かした水を部屋の汚れ落としに使うこともあります。
ただし、これはメーカーが想定している身体や手を洗う用途とは異なります。以前、牛乳石鹸の公式情報を確認したところ、掃除への使用は推奨されていませんでした。
素材によっては跡が残ったり、変色や傷みにつながったりする可能性もあります。掃除用として紹介できる一般的な方法ではなく、あくまで私が自己流で試している使い方です。
身体に使えるものだから、部屋のどこにでも安全に使えるとは限りません。こだわりたい人には絶対に向いていませんが、即時に破壊されるようなものではないので様子を見ながら使っています。
石鹸だけにすることが正解ではない
私の場合、人一倍見た目に気を配る必要のある仕事ではありません。髪や肌にアレルギーがあり、特定の商品でなければ困るという事情も、今のところありません。
そのため、たくさんの機能がある商品を使い分けるよりも、まずは石鹸だけにして、必要になったときに切り替えたり足す方法が合っていました。
一方で、髪を染めている人、傷みや乾燥が気になる人、香りや仕上がりを楽しみたい人にとっては、シャンプーやコンディショナーを選ぶ意味があります。肌に合う製品が決まっている場合は、無理に変える必要もありません。
固形石鹸は、シャンプーよりも単純で優れているということではなく、私の生活では役割が分かりやすかったというだけです。
シンプルにしたことで、ほかのことにこだわれるようになった
以前の私は、シャンプーに特別なこだわりがありませんでした。それなのに、売り場へ行くたびに多くの商品を比較し、どれを選ぶか悩んでいました。
今は、こだわりがなかったシャンプーを石鹸に変える、というこだわりができました。
少し矛盾しているようですが、私にとってのこだわりは、特別な商品を選ぶことではなく、選ぶ必要のない状態をつくることだったのだと思います。
使うものを減らしたことで、お風呂や買い物について考える時間も減りました。その分、ほかの自分が大切にしたいことに、少し余裕を使えるようになった気がします。
これから髪や肌の状態が変われば、またシャンプーやコンディショナーを使うかもしれません。石鹸だけで済ませることを守り続けるつもりはありません。
今の自分に必要な役割だけを残し、困ったらそのときに見直す。そのくらいの形が、今の私にはちょうどよいようです。
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